共働き世帯が増える中、多くの夫婦が働き方や子育てに悩んでいると思います。
今回は、共働きに興味がある方や、共働きを始めたいと考えている方向けに、国のデータに基づく共働きの推移と併せて、事前準備やメリット・デメリットを紹介します。
記事を通して、皆さんの共働き生活がより円滑に進むことを願っています。
不安や悩みは一人で抱えず、パートナーへ相談してみましょう。
- 共働きのメリット・デメリットを整理する
- 共働きを成功させるために準備することがわかる
- 共働き世帯の推移はどうなっているのか?
共働きのメリット・デメリット
私たちの実体験のほか、一般的なメリットやデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
収入が増える 経済的基盤が2名体制になり安定する キャリアという経験の幅が広がる 家庭・社会双方を経験することで互いをより理解できる | 家事・育児の負担が増える 時間の制約が生じる コミュニケーション不足に陥る可能性が高くなる 外食などが増えがちなので、支出管理が必要 |
共働きを成功させるための準備
1.金銭の把握
まずは現在の収支を把握して、そこから生活の変化に合わせた予想される支出をまとめましょう。
これにより、最低限必要な収入額がわかります。
金銭を把握するためには
- 現在の家計収支を把握する
- 共働きによる生活スタイルの変化を想像し、変化に合わせた支出をまとめる
2.ワークスタイルの共有
お互いのワークスタイルを理解し、話し合いを大切にすることで、共働き生活が円滑に進めやすくなります。
共働きを始める目的は家庭により様々ですが、職種によっては出張・転勤、在宅ワークなど生活に影響を与える可能性がありますので、スケジュールは常に共有することを心がけましょう。
ワークスタイル共有のポイント
- ワークスタイルや労働環境の違いを尊重する
- 必要に応じてワークスタイルの変更を検討する
- 仕事の職種・特性やスケジュール
- 労働時間・休日
- お互いのキャリアプラン
3.家事・育児の役割分担を決める
それぞれが得意な家事や育児を担当し、分担することで負担を軽減できます。
また、場合によっては保育サービスや時短アイテムなどを活用することで、時間の有効活用が見込めます。
家事・育児の役割分担を決めるために
- 得意・不得意を把握する
- 家庭内で分担する役割と外部サービスや機械で補うことを決める
- 柔軟性を持つ
4.時間を管理し、プライベートを確保をする
効率的な時間管理を心掛けることで共働き生活が実現し易くなりますし、プライベートの時間も大切にできます。
時間管理を行い、プライベートを確保をするために
- 効率的な家事・育児方法を取り入れる
- 優先順位をつけてタスクをこなす
- 無理のない範囲で予定を組む
スケジュールの作成方法は以下の記事をご覧ください。
5.サポート体制の構築を検討する
共働きの家庭では、予期せぬ状況や急な用事が発生することがあります。
そんな時に、サポート体制を予め決めておくと安心して働くことができます。
例えば、子供が熱に出たときはどちらがお迎えに行くのか、授業参観はどうするのか、などです。
サポート体制の構築を検討するために
- 家族や友人に協力をお願いする
- 地域の保育園・学童クラブを利用する
- 定期的なベビーシッターや家事代行サービスを活用する
共働き世帯の推移は?
共働き世帯が増える中、皆さんの周りにも「共働きなんて大変…」という話題が出たり、同じようなご家庭がどれくらいいるのか気になります方もいると思います。
政府からの後押しもあり共働きの認知は高まっていますが、実際の対策は企業によって異なります。
そこで、国が提供しているデータを元に、共働きの推移について紹介していきます。
共働きを考えている人や共働きの現状について知りたい人にとって、参考になる情報ですのでご覧ください。
令和4年版男女共同参画白書によると…
共働きの推移を調べるにあたっては、国が公開している白書に記載がありますので、今回はそちらを「信頼性の高い資料」としてお届けします。
具体的には、内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版 全体版(PDF版)」より抜粋して紹介します。
共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移
雇用者の共働き世帯が増える一方で、男性雇用者と無業の妻から成る世帯は減少傾向にあります。
一般的には、経済的な理由や働き方の多様化、女性の社会進出などが背景にあると考えられます。
令和3年(2021年)の統計データを見ると、共働き世帯は1,177万世帯に達し、一方で男性雇用者と無業の妻から成る世帯は458万世帯となっており、共働き世帯の方が2倍以上も多いことがわかります。
このような状況を踏まえると、共働きを成功させるための事前準備がますます重要となります。
共働き等世帯数の推移
近年、共働き世帯の中でもは「正社員×パート」の組み合わせが増えています。
これは、家庭と仕事の両立を図りやすい働き方が求められる中で、柔軟な働き方が増えていることが一因です。
統計データによると、共働き世帯のうちフルタイム(週35時間以上就業・妻64歳以下)を選択される方は400から500万世帯と横ばいで推移しています。
「正社員×パート」の組み合わせが好まれる理由の一つとして、経済的な側面があることが挙げられます。
しかし、現在の日本では社会生活からしばらく離れていた無資格者・未経験者を正社員として雇う職場が相対的に少ないことや、家事に対する家族の協力が得られにくいなどの背景も影響していると考えられます。
このような働き方の変化を踏まえ、共働きを成功させるための事前準備がより重要になります。
夫の所得階級別の妻の有業率
夫の所得階級別の妻の有業率を見ると、200万から499万の付近で妻の就業率が比較的高いことがわかります。
共働きの割合や推移を頭の片隅に入れることで、どんな活用ができるの?
- 自分たちの立場や課題を把握しやすくなります。
- 周囲の共働き世帯との共感や話題が増えますので、情報交換や相談がしやすくなります。
- 自分たちの働き方や生活スタイルを見直す際に、共働き世帯のトレンドを参考にできます。
(その時点の最新データを参照しましょう)
共働きを検討されている方へ
共働きを検討されている方は、何らかの目的があると思います。
例えば、収入が足りない、経済的に安定したい、一度社会から離れるとキャリアの積み立てが崩れてしまう、手厚い社会保険制度を受けたいなどです。
目的によってはお急ぎの方もいらっしゃると思いますが、成功までには複数のポイントがあり、そのすべてを修正なしで乗り越えるのは難しいかもしれません。
ですので、何か問題が生じたときは柔軟に変更する意識を家庭内で持つことが大切だと思います。
また、家庭での合意は取れても、地域によっては「職場の選択」でお悩みになる方も一定数いらっしゃると思います。
これは求人票からは「人間」が見え難いことが1つ挙げられます。入社後に極端なストレスを抱えるようであれば本末転倒ですので、目的に立ち返り、自分に合った職場を探すことをお勧めします。
慣れない社会生活の中では、ある程度ストレスを感じるとは思いますが、「極端だな…」と感じるものはパートナーと相談してみましょう。
この記事では、共働き生活を成功させるための事前準備や成功のポイントについて解説しました。
共働き世帯の推移を理解し、その活用方法を学び、さらに共働きのメリットとデメリットを把握することで、より円滑な共働き生活を送るための参考にしていただけたら幸いです。
お互いが協力し合い、温かく支え合う共働き生活を一緒に築いていきましょう。